三匹の悪魔と従者たち
第5章 ユーゴ × アイシャ
一方、自分とアイシャとは考え方もなにもまるで違うし、昔膝丈ほどのゴブリンのような魔物に驚いて泣いた彼女の、お漏らしの世話だってしたことがある。
あの時に初めて女性のその部分を見たわけだが、当時のユーゴがなにかを感じたかというと。
「見事になにもないね……」
その時のことを思い出し、薄らと乾いた笑みが浮かんでしまうユーゴだった。
魔族なのに邪気がまるで無く、騒がしくて妹みたいなアイシャ。
最近はなかなかに美しく成長した彼女に対してユーゴは周りに羨まれもする。
確かにくるくる表情の変わる地上の青空みたいな目などは、たまに眺めると見てて飽きない。
本人の言うとおり、体つきの割に大胸筋の上に乗っている脂肪も今や立派なものだ。
しかし生まれはいいが両親の散財癖がたたり家が貧乏なせいで、彼女は城に売られたも同然の身といえる。
そんなアイシャと今さら男女の関係になれと言われても、ユーゴは困ってしまうのが正直なところだった。