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三匹の悪魔と従者たち

第5章 ユーゴ × アイシャ



─────────近くとはいえなかなかに、物質の遠隔操作は難しい。 しかも対象は視界に居ない中で。


ユーゴはどうしようかと考えた挙句、自分の髪を抜きクローンのような見えない人形をあそこに置いて、それでアイシャを可愛がることにした。

羽根ペンだとかメモ用紙だとか、道具は色々あるし。

部屋に響いていた悲鳴は一分ほどで止み、あとは時おり怯えるような声がドア越しに耳に届いてくる。


似たような悪戯を子供の頃にしたことがあった。
窓の外から蛇だと叫んで、その時中庭にいた彼女の背中にロープを仕込んだ時は物凄く怒られたっけ。

今は彼女の忘れ物を本人のポケットに忍ばせたりとかそんな使い方しかしていなかったが。


あの時と同じで、自分は子供じみているのかも知れない。

思えば自分の性癖はあの頃からすでに歪んでいたのかも知れない。


それでも彼女に触れない、見ない。
性癖とは切り離して自制を強いることで自分はアイシャを大事にしているつもりだ。
そう自身に言い聞かせ、やがて細々と聞こえてきた喘ぎをも遮断して、ユーゴは黙々と仕事の続きに取り掛かり始めた。




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