小さな花
第4章 I'm happy with my life now
あっさりしていて、なんでもバッサリ言い切るのがタケちゃんの良いところだ。
「あんたね、そんな男信用するほうが悪い。っていうか最初からあてにしてなかったでしょお?」
「まあね…。」
2人に出来事を包み隠さず話した。
好きでもない、付き合ってもいない男とだらだらと関係を続けたり、やめようと言ってみては気分次第で誘ってみたり。
話していて、どんどん自分がくだらない人間に思えてきた。
「私ってなんなんだぁ…」
「どうってことない、そこらの女よ」
タケちゃんが当然のように言い、ビールをぐびぐびと飲み干す。
「そう。本当そう…。あぁ、情けない」
相槌をうちながら聞いていた倉田くんが、ゆっくりと口を開いた。
「僕は…せいらさんは悪くないと思います。信じたかったって気持ちもあるように思えて…。そのお相手がもっとせいらさんを安心させて、たくさん愛してくれてたら…」
「恋人になってた?」
タケちゃんがすかさず言った。
「かもしれないと…」
「んも~ピュアねぇ。でもまずその口調!かわいいけど飲み会には相応しくない。もっとフランクに話せないの?」
「あっはい…すみません…」
「ちがうっ!」
「あ…えと…。ごめん…」
「そうそう。僕、堅苦しいの嫌なの。頼むよ」
「う、うん!」
倉田くんはどこか嬉しそうにビールを飲む。
「それで?せいらもそう思うの?」
「いやぁ、どうかな…。確かに、好きとか付き合いたいって思うほどじゃなかったから、宙ぶらりんな関係なわけで…でも好きになれなかったのは、カズヤくんだけのせいじゃないし」
「なあに?よく分かんない。好きな男でもいるの?あっそうか、シンちゃんね」
その瞬間、倉田くんはブーッとビールを吹き、むせた。
「ちょっとタケちゃん、やめてよ!倉田くんビックリしちゃったじゃん、もう~。大丈夫?はい、おしぼり…」