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小さな花

第7章 Eve night


優しく髪をかき上げられ、触れるようなキスをしたあとでもう一度見つめられる。


「ねえ。どういう俺が俺らしい?」


今まで聞いたこともないような静かな声と、寂し気な視線が私を包み込んだ。


「シンくん…」


「ん。」



好き…。好き。

言いたいのにどうしても言えない。

けれど、好きという感情しか出てこない。




「胸がいっぱいなの…」


「どういうことだよ」


少し笑いながらシンくんは私の髪をいじり、耳にそっとかけた。


普段のぶっきらぼうな態度とは打って変わったその柔らかな手つきに、思わず目を閉じる。




首元にシンくんの唇が這い、静まり返った部屋には私の吐息だけが聞こえていた。


彼の舌が鎖骨まで下がってくると大きく舐め上げられ、つい声が漏れてしまう。


「んぁ…っ……」


「気持ちいの?」


「んん…っ」


「ここ持って」


促され、ワイシャツがはだけている彼の首におそるおそる腕を回す。


「ひゃあっ」


ぐいっと持ち上げられたかと思うと、次の瞬間には布団へ寝かされていた。




「拒まないなら、抱いちゃうけど」


「…抱きたいの?…私を?」


あんなに童顔だの子供っぽくて燃えないだのと言っていたから、からかっているのかと思っていた。


「抱きたい」


はっきり口にしたシンくんはネクタイをしゅるりと解く。



目元が熱い…―――

テキーラが今更効いてきたのかもしれない。


ネクタイがなくなった襟口からのぞいた鎖骨に胸が高鳴り、思わず指を滑らせた。



シンくんは静かに照明のスイッチを押し、部屋が漆黒に沈む。



また深いキスを交わしながら、胸元に手が流れ込んできた。


大きなその手はブラジャーの上から乳房を優しくまさぐり、これまでに感じたことのない悦楽が脳内を支配する。



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