小さな花
第8章 Why do you kiss me?
コテージに戻ると、従業員が薪ストーブを焚き付けてくれた。
パチパチと小気味良い音が部屋に響き、やがてシンくんもお風呂から戻ってくる。
「お風呂どうだった?」
「ヒノキ風呂でかけ流し。最高。露天もあった」
「わあ、いいなあ露天風呂。」
道の駅で買ってきた地酒の一升瓶をあけた頃、注文したものがちょうど届けられた。
薪ストーブの上であたためられるおでんとモツ煮だ。
「うまそう」
シンくんは楽しげに日本酒をお猪口に注ぎ、改めて乾杯しながら「おめでとう」と言った。
「おめでとう」
目が合い、そのまま互いにお猪口を口につける。
「「んーっ!!」」
辛口の地酒が胃で燃えた。
…
「わ!すごい…綺麗!」
コテージ2階にあるベッドルームには天窓があって、澄み渡る夜空に星が輝いている。
「どれどれ」
あとから来たシンくんもドカッと隣に寝転び、天窓を見上げた。
おいしい地酒をたらふく飲み、頬が火照っている。
「うお、マジで綺麗じゃん。」
「ね!」
しばらく無言で星を眺めたあと、私はつぶやいた。
「初詣…」
「ん?」
「ううん。シンくん、会社の人たちとどこの神社に行ったの?」
「なにお前、初詣いってねえの?」
「だって…」
一緒に行く人もいなければ、神社の場所だって知らないんだもん…。
察した様子のシンくんはこちらに向きながら言った。
「よし、明日行こうぜ。どっか知らない神社にさ」
嬉しくて笑顔を送ると、彼はそっと覆いかぶさってきた。
…
「ん……っ」
乳房の丘のまわりを焦らすように指先が滑る。
じっと見つめられ、その視線できゅっと両脚に力が入った。
「んうぅ…っ…」
「何?」
「チュウ、して…」
すがるように声を漏らすとすぐにシンくんの唇が降ってくる。
乳首を優しく摘み上げられ、快感で涎が垂れた。
「んあぁっ――」
ほんと感じやすいのな…と彼が甘くささやき、今まではこんな事なかったのにと混乱する。