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嵐びーえる。

第13章 番外編①

高階side

高「花房さん」


花「高階先生。まだいらっしゃったんですか?」


高「ちょっと忘れ物をね。それより、何もない?」


花「はい、当直の先生だけで事足りそうです。それに万が一の時は、渡海先生がいらっしゃいますし」


高「それもそうだね」


安心しきった表情を浮かべる花房さんに対し、ざわざわと心が波立つのを感じる。


いつもそうだ。


患者を助け、医者を殺す。


そんな渡海先生だが、言うこともやることも、ぶっ飛んではいるものの的を射ていて。

若い研修医や看護師の中には、渡海先生を慕う人も多いと聞く。

その度に渦巻く、ざわついた感情。


万が一がないことを祈ってるよ。


心の中で呟きながら、仮眠室へと足を進めた。


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