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嵐びーえる。

第16章 番外編③ 真実のその後で

佐「どうして助けた」


ぼそりと、教授が呟く。

ゆっくりと目を開ける。



佐「お前を東城大へ引き入れたのは、せめてもの償いのつもりだった」


天井を見つめたまま、話を続ける。






佐「死んでもよかったのだ」



ボソボソと、しかし決然と語る佐伯の声を聞きながら、俺はゆっくり立ちあがった。




佐「渡海」



ドアへと歩み寄ると、呼び止められる。









渡「尊敬する、医者の言葉です」








ゆっくり振り返りながら、俺の一番大切な、言葉を紡ぐ。




バチっと、目が合った。



唇を震わせ、俺を見つめるその姿に向かい、深々と頭を下げる。



佐伯が鼻を啜った。



頭を上げ、部屋をあとにした。


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