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嵐びーえる。

第18章 歌詞物語④

努めていつも通りにして、撮影は終わった。
楽屋に戻ると、高校生たちとテレビクルーがいて、僕に感想を求められる。

ス「どんな思いで、演奏されましたか」


S「まぁ、みんなの思いを聞いて臨んでいたので、そこはもう、ね…」


自分で言って自分の不甲斐なさに涙が出そうになる。

男児たるもの、人前で涙を見せてはいけないという教育で育てられてきた僕は、袖で顔を隠し、なんとか耐えて、取材を終えた。

高校生たちから感謝の言葉をもらったけれど、気持ちのこもっていないような、うわべだけの言葉に聞こえてむなしくなる。



逃げるようにしてたどり着いたのは、日テレの裏庭。



滅多に人が来ないこの場所に来たことで、






僕の心は限界を迎えた。

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