
嵐びーえる。
第25章 言えないキモチ N×O
「-のさん、おーのさん」
ペチペチと頬を叩かれる感覚に目を覚ます。
N「あ、起きた」
目の前で悪戯っぽく微笑んだのは、ニノ。
O「ニノ!?」
N「何驚いてるんすか。鍵、持ってるじゃないっすか」
クスクスと笑うニノに、昨夜の感情がよみがえる。
O「なんで」
N「ん?」
O「同情なんかしなくていいよ。ニノはニノのやりたいようにすれば?俺は俺の好きにするから」
N「はい?」
O「とぼけないでよ。ほんとのことを言え」
N「さっきから何を言ってるの?」
O「この期に及んでシラを切りとおすつもり?もういいよ」
N「ちょ、落ち着いてよ大野さん。分かりやすく説明してくれないと分かんないって」
O「もしかして、自分じゃ気づいてないの?じゃあいいよ。俺が言ってあげるから」
思いつくままに吐き出される言葉。戸惑うニノ。
騙されちゃいけない。この男は、役者だ。
O「ニノは、翔くんが好きなんだよ。俺なんかより、ずっとずっと」
言葉にしてしまうと、より確固な事実として俺に迫る。
ニノを見据える俺。ぽかんとした顔のニノ。
静寂を破ったのは、ニノの、どこか慈しみを含む笑い声だった。
O「何が面白いの?俺の感情を弄ぶことが?俺はニノの何なの?」
怒りに任せあれこれ言ってやろうと口を開いた矢先、柔らかいものに阻まれてしまった。
