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惑星ミラーミラー

第2章 〜惑星トワイライトの記憶〜

(2)

数日前


惑星トワイライトの中規模の商業都市、ここにはアモルフィス・コーポレーションの支部があり開拓された惑星の管理をしている


さらに下請けの管理会社が仕事をまわされていく


ソニアの所属する小さな企業もそのうちのひとつ


ある程度開発が進み、手が掛からなくなったところで下請け業者に割り振られていく


時には営業権譲渡の手続きのため、
時には撤退の手続きなど細かい業務が多い


今回の惑星ミラーミラーは数年前に完全撤退が完了していた廃棄惑星の筈だった


資源を獲り尽くした惑星は観光地や居住惑星など再開発されていく場合もあるが極寒の氷の惑星では転用のしようもなく、また氷惑星など無数に存在しており再開発するコストも合わない


その忘れ去られた惑星から突然シグナルが発せられたのだ


人為的なものなのか、機械的なものか


それを調査するのが今回のソニアの出張であった


問題がありそうであれば2次チームの編成が必要にもなり、それを試算する


報告を受けた親会社がその試算に対してどう動くのかまではわからない


問題を解決するのか、放置するのか


ただ廃棄惑星に追加コストをかけることはあり得ない


つまりは今回の出張は報告書のみの簡単な仕事になるはずだった



ソニアは宇宙エアポートの近くに点在するビジネスホテルの最上階レストランで会食をしていた



高級感は無い質素なビジネスホテルだが労働者たちが泊まれるようなレベルではない


これも親会社への経費の一環でもある


会食の相手はアモルフィス社の担当者カーク・サンデリアナ、ソニアよりもずっと若い青年だった


「ソニア、今回は軽い仕事をお願いするけど、次は稼げる仕事を回すから」


「別に良いわよ、カーク!稼げる仕事はそれはそれで重労働なんだから!
 これぐらいの軽い仕事がちょうどいいのよ」


「キミが良くてもキミとこのボスがそればっかりじゃ文句を言うだろう?
 まぁ、なかなか再開発クラスの仕事は出てこないけどね」


親会社と子会社の担当者同士、打ち合わせや手続きなどふたりは何度も仕事をしてきた間柄だった


年齢こそ離れているが、仕事の相手としてはソニアからも気楽な相手であった


ふたりは会食を終え、エレベーターで下の部屋に降りた


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