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惑星ミラーミラー

第5章 〜謎のプラント〜

(2)

「わぁーー!すごい!」


隣の別館に入ってソニアは目を見張った!


中は吹き抜けで高さがあり、とても広い

所狭しと植物が規則正しく並んでおり、ここは植物プラント〈農場〉だ


太陽代わりの照明が室内をまぶしいくらいに照らしている


灌水チューブも設置され、それらは最近使われたように圃場が湿っている


中にはトマト、なす、キュウリなどいわゆる果菜が育っている


「わぁ、これアンタレストマトだよ!こっちはムーンダストきゅうり!こんなに成ってる!」


「……嘘だろ? 誰がこんなのを…?」


喜ぶソニアと対象的にエーイレブンは懐疑的だ


フルオートのシステムがひたすら稼働だけ継続しているのだろうか?


でも放置されているような雰囲気ではない


「……もしかして私たちだけじゃないんじゃない? 他に人間がヨソから来ているのかも?」


「……いや、それは絶対に無い!
 アンドロイドたちならともかく生命体、ましてや人間が居てたら端末に、アクセスした時にすぐわかる!
 生命反応は唯一、ソニアだけだ」


「……でも高性能アンドロイドでも野菜は食べないと思うよ……」


「食べるわけない!……ここはひたすらシステムが居もしない人間のために作り続けてるんだ!」


「……食べられるかな?」


「……わざわざ毒を入れる意味も無いと思うぜ?      分析して欲しいなら時間がかかるけどな?」


ソニアはエーイレブンが言い終わる前に目の前のトマトをもぎ取り、かじりついた


「んんんん〜〜! おぃひぃぃぃ〜!」


エーイレブンはやれやれといった様子であたりを見回していた


「……ちゃんと摘芯して、脇芽とりもされてるな……、きちんと管理されてるようだな……」


「うんうん、サイコーだよ!酸味甘味!とってもバランスが良いッ!」


「味の話しじゃねーよ!ほら、きゅうりのほうも見てみな?ここで一回摘芯、そこから2本伸びて、更にここで摘芯、ちゃんと収穫量が取れるようにしてある!
 ……てことは“見ながら”“考えて”“切った”て事だな」


「……システムだけでは無理そうね」


ソニアたちは広い圃場を用心しながら進んでいき、さらに隣の建物へ移動していった……



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