テキストサイズ

惑星ミラーミラー

第6章 〜謎の生存者〜

(3)

ガチャガチャ!


突然、部屋に機械音が響く!


「えッ? なにッ!?」


ソニアは椅子の上で身をすくめる


壁のモニターだったものが上にスライドして収納されていく

さらにモニターがあった壁が左右、上下に開いていく

多重ロックのドアだ


「あ!……これドアだったの?」


開いた先には宇宙服の人間がひとり立っていた…


「…あ……」


「……」


宇宙服の人間はソニアの姿を見るが、黙って部屋の中に入ってきた



多重ロックのドアは自動的に閉まり、再び天井から大型モニターが降りてきた


「あの……えっと……、あぁ、アナタが包帯を巻いてくれたの…?」


宇宙服の顔は銀色に反射して顔が見えない


背はやはり低かった


船外活動をしてきたのだろうか?


でもそれならエアロックの部屋で脱いでこない?


宇宙服の人間は首を横に振った


私が治療したのではない、ということか


他にも誰か居るのだろうか?


プシュー、プシューっとエアーが抜ける音がする


首のロックを外して正面のキャノピーをつかみながらヘルメットを脱いでいく



中から現れたのはソニアの想定外だった



少年



キッズというよりは大きい

ティーンというには幼い


思春期前ぐらいの男の子が現れた



「……え?」



男の子は器用に宇宙服を脱いでいく


中には身体に密着した薄手のインナー


脱いだ宇宙服は壁のフックに掛ける


「わ、私はソニア! ソニア・ハオルティア」


「ぼくは……フレッド……フリードリッヒ・スターリー」


少年の声はまだまだ甲高い変声期前のようだ


「フレッド! フレッド!

 フレッドね? オーケー!

 フレッド! 聞きたいことがあるのだけど!

 ああ、どうしよう! 落ち着いて!

 落ち着くのよ、ソニア!

 オーケー、オーケー! 用意はいい?」


ソニアはひとりテンションが高くなってしまい、自分で自分に言い聞かせていた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ