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惑星ミラーミラー

第6章 〜謎の生存者〜

(4)


ソニアは聞きたいことが山のように有ったが、目の前の子供に対してハッ!と我に返った


「ええ〜っと、フレッドはひとりでここに居てるの? 誰かと一緒?」


少年は無言で首を横に振った


「……そう……あなた、ひとりで?」


少年は首を縦に振って頷く


「お父さんやお母さんは?」



「……お父さんとお母さんはもう居ない…

 離ればなれになって、ぼくはお母さんと一緒に居たんだ、でももうお母さんも今は居ない」


「……そう……、よくひとりで……

 あの植物プラントはキミが……?」


少年は首を横に振った


「……ううん、昔からあった施設だよ

 いちどシステムが止まっちゃったんだけど、ぼくがまた動かしたんだ…」


フレッドは出入り口と反対側の壁を指差す


そこにはフォトフレーム

そして果物や野菜が積まれていた


「……母さんが好きだったんだ」


供えてあった果物はまだまだ瑞々しい


「……そうなんだ? フレッドも寂しかったね」


「……うん、ぼくはずっとひとりで……」


ソニアはそっとフレッドを抱きしめてやる


フレッドもおずおずとソニアの背中に手を廻してハグを受けた


「……フレッド、ここはどこなの?」


「……ここは廃棄ブロックに捨てられていた宇宙船の残骸だよ そとは放射線が多いんだ
 でもこの中なら安心だよ」


「放射線? それならこんな狭い所じゃなく植物プラントで暮らしたら良いんじゃ……?」


ソニアは素朴な疑問を投げかける

野菜が育てられていた小規模のブロックに放射線反応は無かったはずだ


その答えを聞く前にソニアはハグしている少年のシャツが汗まみれな事に気がついた


「…キミ、汗だくじゃないか? そうか、さっきまで宇宙服を着込んでいたいたからか?
 先にシャワー浴びなよ!」


フレッドは頷いて部屋の奥へ歩いていく


リビングスペースにひとりになったソニアはポケットからスマホサイズの端末を取り出して、エーイレブンに連絡を取ろうとしたが、接続は出来なかった


放射線の

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