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惑星ミラーミラー

第9章 〜ミラーミラーの秘密〜

(3)

惑星ミラーミラーに残った数十人の人々


それぞれが大きなコミュニティを作り、全員が家族の一員だった


夫婦として相手を選ぶ者も居たが、ほとんどは全員で大きなファミリーとなっていた


初めて産まれた子どもは家族みんなの子どもと扱われた


そうしたフリーセックスの運命共同体として暮らしてきた人々だったが、やがて小さな亀裂が出来始める


孤独感を打ち消すセックスと快楽を求めるセックスに何の違いがあるのだろうか?


どこまでが愛?

どこまでが快楽?


この愛は異性への愛?それとも家族愛?


欲望を満たすだけならば愛は不要なのでは?



一部の科学者たちは高級アンドロイドに偏った能力を授けた


限りなく人間を模した愛玩ドロイド


「アンジェリーナ」と「フリードリッヒ」


アンジェリーナは少女の容姿をして男性陣をもてなす


同じようにフリードリッヒは少年の姿で女性陣を喜ばせた


恥じらう必要も無い


求めたいときに求められる


ぶつけたいときにぶつけられる


異性に伝えにくいセックスの注文をアンドロイドなら気軽に抵抗なく命令できる


プロトタイプはすぐに壊れてしまった


性への欲望は破壊性もはらんでいた


後継機種はさらに改良されていく


やがて最高の手ほどきを受けた愛玩ドロイドが作り上げられる



その頃には女性陣は愛玩ドロイドに夢中になり、人間の男性を求めなくなっていった



それは同じく男性も……



男と女は別々のブロックに分かれて暮らし始める


果てしない肉欲の日々


人間の求めに応じる愛玩ドロイドたち


男女で違ったのは、少年の姿のフリードリッヒは誰からも愛され女たちに共有された


それでうまくいっていた


男のほうはといえば科学者たちは少女を量産した

男は独占欲を強めていた


そこで起こった事故



小さな事故は男たちのブロックで起こった


アンジェリーナは際限なく男の精を絞り上げ、男が絶命してもその行為を続ける


男たちのブロックはいつしか放射線に冒されていった


それはアンジェリーナたちが放射線異常を起こしたのか?

それとも放射線によりアンジェリーナたちが異常をきたしたのか?


迷える少女たち


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