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君と共依存

第2章 chapter1

「うっ…あぁっ…ヒカルちゃん上手いね…っ」
まるでドブにつけた雑巾を口に含まされている感覚を味わいながら、私はその男の粗末な陰茎をゆっくりと唇と舌で愛撫していた。
ひどい臭いに、思わずさすがの私でも思わず嘔吐きそうになりながら、必死になかなか硬くならない物体を必死に舐めまわす。
恐らくこの男の体臭なのだろう。
当たり前だけどサービスの前に必ず二人でシャワー室に入り、入念にボディーソープで身体を清潔に洗ったはずだった。
それでも隠し切れないこの臭いは、もう公害レベルとしか言いようがない。
結婚してるかしてないかは知らないが、恐らく職場でも家庭でも、陰で臭う臭いと散々言われているんだろうな、とそう考えながら必死に作業に集中する。
さっさと一発抜いてしまえば、この苦行からは解放されると考え、多少涙が滲みつつも必死に口と舌を動かさざるを得なかった。
段々と口の中に納まった陰茎が硬くなり、私が下品な音をたてて口内にその汚物を含み吸い上げると、頭上の男が私の頭を掴みながらうめき声をあげる。
ビクビクと口の中の物体が震え、粘り気のある液体が口内に吐き出された時、あまりの悪臭に思わず吐きそうになった。
なんとかこらえて、口内にその液体をためたまま、左手で近くにあったティッシュを取り出す。
口にティッシュをあて、なんとか粘り気のある泥水の様な液体を、そこに吐き出した。
若干涙目になりながらも、私はベッドに座る男に、上目遣いで営業スマイルを張り付けながら訊ねた。
「気持ちよかったですか…?すっごく硬いおちんちんだったぁ♡」
むしろふにゃふにゃだったけど、嘘も方便。客を喜ばせるなら、嘘でも何でも言うのがこの仕事だ。
「あー、ヒカルちゃん最高だった…また指名するよ。今度ぜひ一緒にご飯でも…」
「あ、ごめんなさいー♡うちの店、そういうの禁止なんですよぉ♡」
こんな臭い男と飯なんか言ったら、確実に吐く。
そう脳裏で思いながら、マニュアル通りの返答をしている自分は、まるでプログラムされたロボットの様だなとか考えてしまった。
なんとかやんわりとアフターを断り、私は服を着て安いビジネスホテルの扉を閉め、歩き出した。
できればもう二度と、あの客にはつきたくはないと思いながらも、指名してくれるならいい客になると私は踏み、店に終了の電話をかける。

そう、私の仕事は風俗嬢。
売るものは、自分の身体だけ。

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