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機動戦士ガンダム🎄☃戦場のメリークリスマス🎄☃

第5章 銀世界、血に染めて

「ふん、若造め。シャープばかりにいい格好はさせておかんぞ。老兵の意地というものを見せてやるわ」

セムージュ・オルドマンは野戦を得意とする叩き上げの軍人である。常に危険な戦場の最前線に立ち、戦果も相当に挙げているが、未だ軍曹である。
士官学校を卒業したというだけで大した実績もない若造たちが偉くなって威張っているのが心底気に入らないのだ。

本来水陸両用の機体を雪上戦タイプにアレンジした白いズゴックはセムージュの怨念を乗せて、ただならぬ殺気を放っていた。

コメットは一生懸命に手編みのマフラーを編んでいた。何とか今日の夜には間に合いそうである。
「ハッピーバースデー、レオン先輩」
今日が誕生日のレオンに渡すマフラーに一糸一糸想いを乗せるコメット。

そんなコメットの想いが届いているのか今日のレオンは絶好調である。ドムのヒートサーベルをビームサーベルで受けつつ頭部バルカン砲でモノアイを潰し、迫り来るザクやゲルググにビームスプレーガンを浴びせる。
ザクが投げた瞬間にクラッカーを撃ち抜いて敵の至近距離で爆発させる荒技も見せた。

「早い、早過ぎる」
トーマスは騎士のように華やかなグフの動きに翻弄されていた。ミサイルランチャーやガトリングガンで攻撃しても余裕でかわされて威嚇にもならない。
元々は砂漠戦を得意とするグフは砂に潜るが、イリアのグフは自在に雪に潜って攻撃を仕掛けてくる。

「読めたぞ・・そこだ〜」

トーマスはグフが潜っている所に当たりをつけてアスナロキャノンの両肩の大砲が火を吹いてグフは爆炎に消えた。

「やったか・・」とトーマスは一息吐くが・・。

「甘い、もらった」

爆炎と吹き上げられて吹雪のようになった雪の中から颯爽とグフが現れて、ヒートロッドがアスナロキャノンの右腕を捕えた。

「その重装備が仇になったね〜。華麗に爆発させてあ・げ・る」

イリアはウインクしてヒートロッドに高圧電流を流し込む。

「ば、爆発する」

凄まじい高圧電流にトーマスは恐怖のどん底に墜ちていく。

「落ち着け、最後まで諦めるな」
ブライアン大尉の頼もしい声が聞こえてトーマスは安心感を覚えた。

GMスナイパーカスタムの正確な射撃をかわしてグフが体制を崩したおかげでアスナロキャノンはヒートロッドから解放された。

「余計な真似を!おしおきだよ」





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