機動戦士ガンダム🎄☃戦場のメリークリスマス🎄☃
第6章 レクイエム
レオンの追悼は厳かに行われた。
コメットは追悼の場には姿を見せずに、ひとり部屋で泣きじゃくっていた。
「レオンさん、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
コメットとレオンは微笑みをかわして星降る夜にグラスを合わせる。
もう涙も枯れ果てたコメットの瞳には幸せに行われるはずだった、ふたりだけのパーティーの幻影が哀しく映る。
部屋には食べてくれる人を失ったケーキと巻いてくれる人を失ったマフラーが寂しそうに置かれている。
「コメット、辛いのは分かるけど、食べなきゃダメだよ。看護婦さんが不健康なことをしちゃいけないよ」
カラテが食事を届けに来てもコメットは応えない。ドアの外には昨日置いた夕食が手つかずのまま冷たくなっていた。
カラテは泣きながらコメットの部屋のドアを叩き続ける。
「ごめん、レオン先輩を助けられなかった。あの悪魔のようなモビルスーツに気づいていたのに・・オレが、オレが、もっと上手く戦えていたら・・」
涙がこみ上げて言葉にならない。コメットの大切な人をみすみす死なせてしまって、こんなに悲しませている氷の十字架が冷酷にカラテを傷つける。
不意にドアが開いてコメットが出てきた。
「自惚れないでよ。カラテひとりが頑張ったって、どうにもなるわけないじゃない。あんたなんかが頑張ったって」
コメットは泣きながらカラテの胸を叩き続ける。心配して、こうして来てくれたカラテに当たるのは理不尽だと自分でも分かっている。
でも、この抑えようのない悲しみと怒りをぶつける先は他にはなかった。
「逢いたいよ、レオン先輩に。お誕生日のお祝いをしたいよ」
コメットは、わんわん泣きじゃくってカラテを叩き続ける。カラテも泣きながら立ち尽くしてコメットの拳に打たれ続けた。
「どうして、どうして戦争なんてしなければならないのかな?好きな人も大切なものも全部失っちゃうのに、何のために戦争なんてしなければいけないのかな?」
泣き晴らしてかすれた声で言ったコメットの言葉にカラテは答えられない。心配で様子を見に来たトーマスやミントも黙って俯くしかなかった。
気がつくとカラテはリリカの部屋の前に立っていた。深い悲しみに潰されてしまいそうだから、リリカに慰めてもらいたかったのだろう。
ドアが開いてリリカはカラテを迎えてくれた。
コメットは追悼の場には姿を見せずに、ひとり部屋で泣きじゃくっていた。
「レオンさん、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
コメットとレオンは微笑みをかわして星降る夜にグラスを合わせる。
もう涙も枯れ果てたコメットの瞳には幸せに行われるはずだった、ふたりだけのパーティーの幻影が哀しく映る。
部屋には食べてくれる人を失ったケーキと巻いてくれる人を失ったマフラーが寂しそうに置かれている。
「コメット、辛いのは分かるけど、食べなきゃダメだよ。看護婦さんが不健康なことをしちゃいけないよ」
カラテが食事を届けに来てもコメットは応えない。ドアの外には昨日置いた夕食が手つかずのまま冷たくなっていた。
カラテは泣きながらコメットの部屋のドアを叩き続ける。
「ごめん、レオン先輩を助けられなかった。あの悪魔のようなモビルスーツに気づいていたのに・・オレが、オレが、もっと上手く戦えていたら・・」
涙がこみ上げて言葉にならない。コメットの大切な人をみすみす死なせてしまって、こんなに悲しませている氷の十字架が冷酷にカラテを傷つける。
不意にドアが開いてコメットが出てきた。
「自惚れないでよ。カラテひとりが頑張ったって、どうにもなるわけないじゃない。あんたなんかが頑張ったって」
コメットは泣きながらカラテの胸を叩き続ける。心配して、こうして来てくれたカラテに当たるのは理不尽だと自分でも分かっている。
でも、この抑えようのない悲しみと怒りをぶつける先は他にはなかった。
「逢いたいよ、レオン先輩に。お誕生日のお祝いをしたいよ」
コメットは、わんわん泣きじゃくってカラテを叩き続ける。カラテも泣きながら立ち尽くしてコメットの拳に打たれ続けた。
「どうして、どうして戦争なんてしなければならないのかな?好きな人も大切なものも全部失っちゃうのに、何のために戦争なんてしなければいけないのかな?」
泣き晴らしてかすれた声で言ったコメットの言葉にカラテは答えられない。心配で様子を見に来たトーマスやミントも黙って俯くしかなかった。
気がつくとカラテはリリカの部屋の前に立っていた。深い悲しみに潰されてしまいそうだから、リリカに慰めてもらいたかったのだろう。
ドアが開いてリリカはカラテを迎えてくれた。