テキストサイズ

機動戦士ガンダム🎄☃戦場のメリークリスマス🎄☃

第8章 ブラッククリスマス

戦場であってもクリスマスぐらいは幸せに過ごそうという人々の想いを踏みにじるような黒い影が敵にも味方にも渦巻いていた。

サイコシステム・・ニュータイプと呼ばれる研ぎ澄まされた一種の超能力ともいえる反応力や予知能力を人工的に作り出して脅威的な戦闘力を発揮するシステムである。
このシステムには核となる人間が必要であるが、その者の魂を奪い、精神を崩壊させる危険性が判明したため、開発は禁止されたのだが、秘密裏に開発を進める輩たちによって完成させられていた。

禁断の超兵器Gサイコ。それは後にフォウ・ムラサメやロザリア・バダムの悲劇を生むサイコシステムの原型となる禁断の兵器であった。

コンピュータによって連邦に所属するあらゆる人間から核となるのに最もふさわしい人間が検索された。

「ついに見つけたぞ、Gサイコの核となるべき者を」

首謀者のウォン・ドクトル上級特射は不敵に笑った。

シャープたちの部隊の上層部にあたるバッド・ウエル中佐の部隊の超大型移動要塞がシベリア基地に向かっている。彼はマ・クベ大佐の先輩であり、後輩に先を越されて対抗意識を燃やしている。
シベリア基地をなかなか墜とせない部下たちに業を煮やして自ら出張ってきた次第である。

バッドはテレビ回線でシャープを愚弄して責め立てる。シャープは戦況を説明して年内中には墜としてみせると約束するが、バッドにはもはやシャープの作戦などに興味もなかった。

「何を甘いことを言っているのだ、愚か者めが。もはや一刻の猶予もないことぐらい理解せんか、このバカめが」

バッドは部下たちの前でシャープを激しく叱責して怒鳴りつけた。

「そんなことだろうと思い私が出張ってきたのだ。私が出張ったということは即ち最終手段を行使するということなのだよ」

バッドの言う最終手段とは、悪魔の兵器である核ミサイルを発射するということである。シャープは驚愕とする。

「お待ちください、またも南極条約を破ってジオンに汚名を着せるおつもりですか?それに、シベリアで戦う多くの同士さえも犠牲になさるおつもりですか?」

愚かな行いに懸命に抗議をするシャープだが、バッドの心には全く響くこともない。

「これは戦争なのだよ。勝てば正義、条約違反なんぞ問題にもならぬわ」とバッドはいやらしく笑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ