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機動戦士ガンダム🎄☃戦場のメリークリスマス🎄☃

第8章 ブラッククリスマス

リリカはアスナロにコア部分切断の案内指示を送る。

アスナロはブースターパーツを全開にする。ブースターからは激しい噴煙が射出される。

「よ〜し、いいぞ〜。翔べっ」
ミントの応援を皮切りに、みんなが口々に「翔べっ」「翔べっ」とアスナロに声援を贈る。

「行こう、アスナロ。オレたちはガンダムになる」

ブースターを全開に噴かしてアスナロは大空を飛翔する。

「やっと見つけたよ。君はGサイコの核として最適な素体だ。核爆発にも耐えられるGサイコで我々と共に勝利を掴もうではないか」

ドクトル上級特尉が見つけたGサイコの核はコメットだった。嫌がるコメットだが、銃を向けた兵たちに囲まれては抵抗も虚しく捕らえられてしまった。

サイコシステムは人の悲しみ、憎しみ、怒りを増幅させて得ることで凶悪な力を発揮させる。懸命に悲しみを乗り越えようとしているコメットにサイコシステムは非情にもレオンの最期を幻影として何度も見せつけてコメットの脳を刺激する。

コメットの悲しみ、憎しみ、怒りの力を得て全長60㍍を超える巨大なGサイコが起動する。通常のモビルスーツが18㍍級であるから、Gサイコはその3倍超の巨体である。またGサイコは強力なサイコバリアを張ることが可能で核爆発にも耐えられる。シベリア基地が壊滅しても自分たちだけは生き延びて戦果を挙げようとするドクトル上級特尉の卑劣な作戦が始まった。

コメットは激しい頭痛と吐き気に苦しんでいるが、兵たちはコメットが逃げられないように銃を突きつけてコクピットに監禁している。

悲しみ、憎しみ、怒りに支配されてしまったコメットは凶悪なサイコウェーブを放出させる。そんなコメットをドクトル上級特尉は卑劣な笑みを浮かべて見守っている。

アスナロに攻撃を仕掛けようとするモビルスーツはドムやグフ、アスナロキャノンが地上から撃ち墜とす。カラテは核ミサイルのみに集中できる。

「やるぞ、オレたちはガンダムだ」

カラテは操縦桿に力を込める。ツインアイが鋭く光り、アスナロのビームサーベルが核ミサイルのコア部分に思いっきり振り下ろされる。

「やった」

カラテは成功を確信した。が、次の瞬間に強力な衝撃が頭の中を走った。

核ミサイルの阻止を見届けたジオン、連邦の両軍の兵たちは歓声をあげてアスナロに拍手喝采を贈ってアスナロを讃える。

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