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機動戦士ガンダム🎄☃戦場のメリークリスマス🎄☃

第3章 リリカ・オンリー

「失礼しま〜す」

カラテは少し緊張しながらリリカ・オンリーの部屋をノックした。ミントと接するトーマスのようにカラテの心臓はバクバクしている。

リリカはカラテたちの先輩で凄腕のパイロットだった。カラテたちの研修の教官をしたこともある。やはり凄腕のパイロットだった夫が戦死したので、今は基地に住み込んで育児をしながら庶務を担っている。
庶務だけでなくオペレーターも担当しており、実戦経験を活かしてパイロットたちに的確な指示を送っている。

返事も待たずにドアを開けたカラテは部屋の中の様子に驚いて慌てて目を隠した。
リリカは赤ちゃんの授乳を終えてブラジャーを着けているところだったのだ。

「ご、ごめんなさい。その、あの、修理が終わったもので・・」

真っ赤になって泣きそうな顔をするカラテを見てリリカはクスクスっと笑った。

「いいのよ、ちょうど終わったところだしギリギリセーフだったから。カラテにとってはギリギリ残念だったかしら」

と言って笑いながらリリカは服を正した。確かにブラジャーを着けていたところだったから肝心なところはギリギリ見えていない。

「それより修理ありがとう。これがないとミオがぐずるのよ」

リリカはカラテから丸い物体を受け取る。丸い物体からは手や足が伸びて、「カラテ、ドジシタ、カラテ、ドジシタ、オッチョコチョイ」と機械音声でカラテをからかって飛び跳ねる。

ホワイトベースにいるのが有名な電子頭脳が搭載されている小型ロボットのハロはここにもいた。
最近調子が悪かったので、機械いじりが得意なカラテが修理を引き受けていたのだった。

赤ちゃんのミオはハロが大好きで、「キャっキャっ」と嬉しそうに飛び跳ねるハロを追いかけてハイハイをする。

「お礼にお茶でも淹れるわ。上がって」

リリカはカラテを部屋に招いた。チラッと見てしまった乳房にドキドキしたり、リリカが怒らなくてホッとしたり、申し訳ない気持ちでいっぱいだったり、カラテの頭の中はグチャグチャで大変だった。

「腕を上げたわね。見習いパイロットだったあなたを指導したわたしとしても鼻が高いわよ」

憧れのリリカにモビルスーツでの戦いを褒めてもらつてカラテは天にも舞い上がるような幸せな気持ちになった。

「でも、深追いは禁物よ。どんな危険が待っているか分からないから」



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