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【禁断兄妹 外伝】銀の檻 金の鳥

第3章 回想


身を寄せた祖父母の家は今まで住んでいた住所からかなり離れていた。

二人の姉はここから今までの学校へ通うことを選択したが
俺は公立の中学だったから転校
所属していたチームも通うには遠すぎる為に退会しなくてはならず
近場にある別のクラブチームへ入ることになった。

学校でもチームでも一年の間で築き上げたものはそれなりにあったのに
全てがリセットされてしまったように感じてやるせなかった。

ダメージはあったが両親が離婚している友人は珍しくない
俺もそうなっただけのことだと割り切り
この思いをばねにするのだと自分を奮い立たせた。

俺には目指すべき場所がある
それはサッカー界の頂点だ。

新しく入ったクラブチームも強豪ではあるし
中学に入ってから更に力をつけ始めていた俺は環境が変わってもやっていく自信があった。

しかし
この母親の実家に父親が現れるようになったことが
本当の不幸の始まりだった。

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