【禁断兄妹 外伝】銀の檻 金の鳥
第2章 おやじさん
「修斗」
熱狂的なサッカーファンだった父親がつけた名前
彼の影響で俺は物心がつく頃には既にサッカー狂だった。
「修斗、サッカーするか」
「修斗、サッカー見るか」
大病院に勤務する内科医だった父親
多忙な彼とのコミュニケーションはいつもサッカーだった。
専業主婦の母親
長女、次女、そして俺の三人姉弟
待望の男子でありサッカーに興味を示す俺を父親は特に可愛がった。
クリスマスにサンタクロースに願ったのはサッカーに関するもの
ボールやユニフォーム
観戦チケット
勿論誕生日もそう
俺にとっては戦隊もののヒーローよりもプロサッカー選手のほうがヒーローだった。
幼稚園児の頃からサッカークラブに通い始め
小学生からは有名な強豪クラブに所属
母親は父親と俺のサッカー熱に若干呆れながらも
クラブや試合への送迎や応援
弁当作りもよくしてくれた。
クラブでの地味な基礎練習は退屈だったが
試合の面白さはたとえようもなく
俺はとにかく試合に出たい一心で毎日練習に励んでいた。