【禁断兄妹 外伝】銀の檻 金の鳥
第2章 おやじさん
やがて自在にボールを操れるようになるとレギュラーになり
試合で活躍できるようになった俺はますますサッカーにのめり込んだ。
注目を浴びゴールを決める快感
仲間と一丸になって戦い勝利する興奮
それは何にも代えがたい喜びで
毎日の地道な自主練習も苦ではなかった。
大きな大会のたびに得点王を取る様になった俺への注目度は増していき
入らないかと声をかけてくれるジュニアユースチームがいくつもあった。
───プロのサッカー選手になって日本代表になってワールドカップで優勝する───
卒業文集に堂々と書いたこの夢を笑う奴は誰もいなかった。
それは俺にとって夢というより当然の流れであり
叶えるべき目標。
修斗ならできるかも
お前ならいけそう
友達も先生もみんなそう言った。
父親にこの文集を見せると
優勝か!と目を輝かせた。
プロサッカー選手になる夢は以前から口にしていたが
日本代表入りとワールドカップでの優勝を宣言したのは初めてだった。
お前ならできるよ、間違いない、できる
父親は興奮気味にそう言って
頼むぞ修斗、お父さんを決勝に連れて行ってくれよ
俺を抱き締め背中を叩いた。