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妄りな昼下がり(仮)

第2章 雪 30

とはいえ、雪は腹が減って堪らなかったのでシチューがすぐさま食べたかった。
子供が出来たらと奮発して買った4人掛けのダイニングテーブルに向かい合わせになる形で置かれたシチューは食欲をそそるいい匂いだ。
成はビーフシチューに生クリームをかける、濃厚なクリーム色はさっき絞りとった物とはまた違う色をしてシチューは彩られた。

「いただきます。」

雪はテーブルに座って、シチューをがっつく。
成はガツガツ食べる雪を困り眉で眺めてる。

「おかわりあるけんね。」

「成、料理するん珍しいね、なんで?」

「嫌、なんか気分で。いつも雪ちゃんに作って貰ってるしたまにはえんやない?」

そう言って成は、はにかんだ。こんな時、雪はふと思う。ここに子供がいればまた違った会話があったのかしら?と。
考えても無駄なのかもしれないが。
雪は三杯目のおかわりをして、腹が満たされたとこで本能のまま惰眠を貪りたくなり、化粧も落とさないまま横になった。

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