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妄りな昼下がり(仮)

第5章 名もなき男 のち 秋斗 時々 達也

若葉燃ゆる、季節となった。
初夏・・暑い日が続き、色白な方の雪は紫外線に耐えれず、朝から日焼け止めクリームを塗りたくる。
アルバイトの面接を二つ受けたが、何故か落ちた。自分が柔軟性のない年齢だと思われてる事が引っかかる、もっと若ければと思う。
体も熟れてきたと思う・・年を取る事を受け入れられない雪は、肯定してくれる存在が欲しかった。
今日は達也と3回目の逢瀬の日、小皺にファンデーションが入らないように朝からパックをしていると、成が起きてくる。

「おはよう〜」

「おはよ、成。朝ごはん出来とるよ」

「おう、ありがと、え〜また米かぁ・・甘いもんがええ、菓子パンとか無いん?」

成は好き嫌いが多い、糖分たっぷりの食事を好む。

「そんなん、無いよ。」

「じゃ、俺食べていかんわ。コンビニで菓子パン買って行こ〜。」

そう言って成は出て行った。なんて子供みたいな男なんだろう。と雪は思う。
待ち合わせに間に合うように化粧して身支度を整える。今日は初夏っぽい水色のワンピースにしようと思う。色気は無いが、清楚感はある。抱かれる予定で行くので清楚でも無いが、玄関でサンダルを履き外に出る。唸るような暑さでは無いが、雪はその気候に嫌気がさした。

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