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妄りな昼下がり(仮)

第5章 名もなき男 のち 秋斗 時々 達也

「じゃあ、2人きりになれるところに行こうね。雪ちゃん。」

そう達也が言い、雪もようやく目的が果たせると思ってホッとする。
山道を下り、見渡すと新緑が広がっていた。これはこれで綺麗だ。達也はきっと雪に綺麗な景色が見せたかったのだろうか?雪は相変わらず達也の動向は理解出来なかったが・・

次に連れて行かれたのは、薄暗いパチンコ屋の立体駐車場だった。
もしや、達也はホテル代を持っていないのだろうか?益々不安が募る雪。しかもパチンコ屋の駐車場なんて頻繁に警備員の巡回があり、キスするのも無理なのでは?と雪は思う。

「雪ちゃん、二人きりになれる所に着いたよ。」

そう言い、白い歯を見せニッコリと笑う達也。
腹ただしさを感じながらも相変わらずの美男子ぶりに憎めない男、達也。
コンビニで買ったお茶を飲みながら、2人で話しをする。

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