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妄りな昼下がり(仮)

第5章 名もなき男 のち 秋斗 時々 達也

罪悪感とは裏腹に、達也が真剣な眼をして雪に言う。

「あのさ、この前思ったんだけど、雪ちゃんって相当エッチ好き?」

相当?毎日したい。相当の域を超えてしまっている雪は、一応、達也に賛同する。すると達也の顔が華やぐ。

「良かった、俺エッチ好きな子だと嬉しい・・。連絡取れなくなってから、もしかして嫌われたのかなって思ってた。でもブロックされてないし、なんだろう?何してるんだろう?って雪ちゃんの事、気になって気になって。」

「達也さん、エッチ好きってどれくらい?毎日したいの?私と?今もしたい?どう思いますか?」

雪が潤んだ眼で、達也を見る。

「したいよ、そりゃ。したい、今もしたい。会えるんだったら、毎日したいよ。雪ちゃん。俺、前の彼女に身体目的でしょ?って振られたんだ、真剣に付き合ってたし、結婚も考えてたのに、俺って変かな。好きな人といると求めてしまうんよね。だからこの前だって、デートしたかった・・好きな女の子に身体目的だと思われたくないから・・」

胸の奥が切ない気持ちで一杯になる。成も以前はそう思ってくれていたのかな?雪と会ったら毎日したいって。雪は思うが五年前の事が思い出せなかった。以前からまな板の上の鯉だったのかもしれない。
達也に向ける、切ない気持ちが恋なのか、性欲なのか今は判断がつかない。

「本当に達也さん、したいなら後部座席に行きませんか?」
と雪は達也を誘った。

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