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妄りな昼下がり(仮)

第6章 混ぜたら危険。成vs達也。

すると玄関からチャイムがなった。

「ピンポン」弱々しく押されたそれは、成も雪も居留守を使おうと思った。

だけど、無視しても何回も鳴らしてくる。多分セールスが来たのだろうな、適当にあしらって帰らそうと成が玄関まで小走りで行って玄関のドアを開ける。

「あの、雪さんいますか?」

寝室まで、聞こえたハスキーボイスは雪も聞き覚えのある声だった。

「おい!雪〜、お客さんやで〜、めっちゃイケメンの兄ちゃん来とるで〜。」

「あの、貴方は・・雪さんの、お兄さんか、お父さんですか?」

玄関先の来客者が言う。少し老け顔で、ほうれい線が深く、若白髪を黒染めしてない成はそう見えてしまうのだろうか、雪は冷静に考えられなくて、ブルブルと震えが止まらない。

「それはさすがに無いやろ!酷いな兄ちゃん。てか君こそ、雪の知り合いか?なんなん?」

成の口調が荒くなったのを雪は聞き逃さなかった、成は誰に対してもタメ口で威圧的な態度を取る。その言動に雪は辟易していたのだけど、今日は怯えが止まらない・・どうしよう、どうしよう、自分が撒いた種なのに・・

「僕は雪ちゃんと、結婚する約束をしております。けど、連絡が急に取れなくなって話し合いをしにきました。」

「は?!」

成の怒声が聞こえた、もう絶体絶命で、終わった。雪は寝室で祈った。ズカズカと成が寝室に戻ってきて、雪の髪を引っ張って玄関まで引きずって連れて行く。

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