妄りな昼下がり(仮)
第7章 混ぜたら危険。雪vs母
m喫茶の看板が見える、薄茶けた建物、小汚い喫茶。往年の感じが、禍々しさを感じるのに、やけに手入れされた花壇に美しく咲いた季節の花達が、風に吹かれてそよそよと揺れていた。
花壇周りを、マスターと思われる小太りの初老の男が掃き掃除をしていた。もう店終いをする所なのだろう、看板の電気を消そうとしている。雪がマスターに近づいて、話しをかける。
「あ、あの。お店、今日はもう閉店ですか?待ち合わせで来たのですが?」
マスターが雪の方を見て首を傾げる、少し歪んでかけられたロイド眼鏡が喫茶のマスターらしい風貌だった。
「あぁ、君、山ちゃんの娘さんかね?娘と会えるって喜んでたから、今日は特別に開けてるよ。山ちゃんはお得意さんだからね〜。」
お得意さんという言葉に何か嫌な予感がする。まさか母は、このマスターまでも身体で手懐けているのか?還暦前の女が、吐き気が込み上げてくる。雪の母なのだ仕方ない事なのだろうか。
マスターらしき男は銀歯が見えるくらい、口をニッと開けて
「山ちゃんなら、奥のボックス席で待ってるよ、早く行ってあげな」
と言った。その一言に下卑た物は感じらなかった。
雪と成は、目配せをしてM喫茶の扉を開けた。爽やかな鈴の音色が店内に響いた。
花壇周りを、マスターと思われる小太りの初老の男が掃き掃除をしていた。もう店終いをする所なのだろう、看板の電気を消そうとしている。雪がマスターに近づいて、話しをかける。
「あ、あの。お店、今日はもう閉店ですか?待ち合わせで来たのですが?」
マスターが雪の方を見て首を傾げる、少し歪んでかけられたロイド眼鏡が喫茶のマスターらしい風貌だった。
「あぁ、君、山ちゃんの娘さんかね?娘と会えるって喜んでたから、今日は特別に開けてるよ。山ちゃんはお得意さんだからね〜。」
お得意さんという言葉に何か嫌な予感がする。まさか母は、このマスターまでも身体で手懐けているのか?還暦前の女が、吐き気が込み上げてくる。雪の母なのだ仕方ない事なのだろうか。
マスターらしき男は銀歯が見えるくらい、口をニッと開けて
「山ちゃんなら、奥のボックス席で待ってるよ、早く行ってあげな」
と言った。その一言に下卑た物は感じらなかった。
雪と成は、目配せをしてM喫茶の扉を開けた。爽やかな鈴の音色が店内に響いた。