妄りな昼下がり(仮)
第7章 混ぜたら危険。雪vs母
扉を開けると、酸味の効いた珈琲の芳しい匂いが漂っている。緊張、試練、母との対峙、全てをひっくるめての気持ちが雪を襲う。
奥のボックス席で、年齢に似合わない細身の脚を見せつけるかのように、タイトなパンツを履いた初老の女が居る、雪の母だ。苛立ちを露わに腕を組んで仁王立ちしている。
雪の丸顔とは似ても似つかない、細面の顔立ちは皺だらけでまるで般若のようだ。
雪は咽喉がつっかえたようになって、何度も咽せた。その度に雪の母と、成の苛立ちが伝わってきて、何度も何度も、吐きそうになってそれを飲み込んだ。
「おっせーんだよ、豚女。」
雪の母の第一声だった。
成の苛立ちが雪に伝わってくる、多分成の怒りは今雪の母に向かっている。
喫茶のマスターが引き立ての豆があるからと言って、サイフォンで珈琲を入れてくれる。
雪と成は奥のボックス席に着席した、続いて雪の母も着席して、メビウスの10ミリにマッチで火をつける。成が煙たそうにして雪の母を睨んだ。雪は足の震えが止まらなかった。
「貴方、成君だったっけ?うちの馬鹿娘がごめんね。」
紫煙をくゆらして、母は言った。
「確かに雪は馬鹿かもしれませんが、そんな言い方せんでえんとちゃいます?。」
「いやいや、この子はね、本当〜馬鹿なの。以前も私の男とやっちゃったのよね。だから追い出したの。こんな娘いらない。」
「は?」
成が切れている。雪の震えが止まらない。
奥のボックス席で、年齢に似合わない細身の脚を見せつけるかのように、タイトなパンツを履いた初老の女が居る、雪の母だ。苛立ちを露わに腕を組んで仁王立ちしている。
雪の丸顔とは似ても似つかない、細面の顔立ちは皺だらけでまるで般若のようだ。
雪は咽喉がつっかえたようになって、何度も咽せた。その度に雪の母と、成の苛立ちが伝わってきて、何度も何度も、吐きそうになってそれを飲み込んだ。
「おっせーんだよ、豚女。」
雪の母の第一声だった。
成の苛立ちが雪に伝わってくる、多分成の怒りは今雪の母に向かっている。
喫茶のマスターが引き立ての豆があるからと言って、サイフォンで珈琲を入れてくれる。
雪と成は奥のボックス席に着席した、続いて雪の母も着席して、メビウスの10ミリにマッチで火をつける。成が煙たそうにして雪の母を睨んだ。雪は足の震えが止まらなかった。
「貴方、成君だったっけ?うちの馬鹿娘がごめんね。」
紫煙をくゆらして、母は言った。
「確かに雪は馬鹿かもしれませんが、そんな言い方せんでえんとちゃいます?。」
「いやいや、この子はね、本当〜馬鹿なの。以前も私の男とやっちゃったのよね。だから追い出したの。こんな娘いらない。」
「は?」
成が切れている。雪の震えが止まらない。