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妄りな昼下がり(仮)

第2章 雪 30

達也とカフェに行き、色々な話しをした。雪は達也に話しした事は全て出鱈目だった。
出身地、学歴、恋人の有無、その他諸々。
年だけは本当の事を言った、達也は物流関係で勤めている同い年で、彼女はいないと言った。
だけども寂しくてそろそろ彼女が欲しいんだよ、と達也は語ってくれた。
「ふぅん、そんなに格好いいのに彼女出来ないんだ?」と雪が悪戯っぽく言うと

「またまた」
と謙遜気味の達也、お互いが熱っぽい視線をしている。雪も達也も初めて会って、一目惚れに近い感情を持っている。達也はスマホをいじりだして雪を接写しだした。
それは反則だ、まだ達也がどういう人か分からないのに写真として収められるのは駄目だ。何に使われるか分からない。雪はそう思ったがヤンチャな瞳の達也に見つめられたら何も言えなくなってしまった。
その日は次回車でドライブデートをする約束をして解散した。
結局手土産のマドレーヌは渡せぬままになってしまった。

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