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妄りな昼下がり(仮)

第7章 混ぜたら危険。雪vs母

成が出て行ってからの一週間くらいは、もしかしてまた帰ってくるかも知れないと雪は期待して、ご飯を作って帰りを待ったりもした。
だけども絶対にそんな事があるはずもなく、夜になり硬いマットレスの上で1人で寝た。
まだ成の匂いがするマットレスで寝ると、まるで成に包まれているようだった。
季節が夏に移り変わろうとしてきた時、今まで共にしてきた成の匂いが消えかかっていた、成の発した揮発分子が無くなった時、雪は本当に1人になったんだなと実感した。
何もやる気が起きず、荒れ放題の部屋で雪は泥のように眠った。

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