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妄りな昼下がり(仮)

第8章 子宮の中へ。

雪と山本は、路地裏を探索して、こじんまりとしたシティホテルに入った。

エレベーターに乗った瞬間に、山本が雪の太腿に手を這わしてくる。
小さな喘ぎ声を出したら、山本は喜んで

「雪ちゃん、可愛い。可愛いよ。こんなおじさんの相手してくれてありがとうね。」

部屋に入って、山本は部屋のテーブルの上に二万円を置く。

「ほら、これ忘れちゃ駄目だからね。絶対に持って帰ってね。」

雪がコクリと頷くと、山本は雪にキスをした。
60代を過ぎた辺りの男性からは、歯槽膿漏の独特な口臭がある。なんとも言えない、味に初めは慣れなかったが、もうどうでも良い。
雪の体に対価を払ってくれる。それだけで雪にとっては有難い事だった。
ことが終えた後、2人は布団にくるまって頬っぺたを掴んだり、体を触りあったり、まったりとした余韻に浸った。

「雪ちゃん、なんで僕なんかと会ってくれるの?」

髪が薄くなって、祖父を思いださせる山本はそう言った。

「なんでって?ん〜、だって雪は山本さん好きだし、それにね夢があるの。」


「俺も雪ちゃん、大好きだよ。夢って?」

「ん〜ヒ・ミ・ツ!」

雪は、人差し指を口に当てて言った。こんな分かりやすいくらいあざとい仕草が、お爺ちゃんになる世代の人達には堪らないらしい。山本が可愛いやつめと雪を撫でてくる。

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