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妄りな昼下がり(仮)

第8章 子宮の中へ。

帰り道、家最寄りのK駅を降りて、近くのスーパーで買い物をする。

「消化に良いもの♪消化に良いもの♪」

雪はそう歌いながら、籠にリンゴ、ほうれん草、カボチャを入れていく。

会計を済ませて、レジ袋に買った物を詰めて外を出ると、冬空で満点の星空が目に入ってくる。
雪は「綺麗」と呟いて、かじかんだ手を息で温めた。トボトボと歩いていると雪の家が見えてくる。
結局、雪は成に言われた通りに、家賃の安い所には越していない。
正確に言うと越す理由などなかった。

玄関のドアを開けるとエアコンの電源がついて無いので、もの凄く寒い、雪は急いで寝室のエアコンをつけて、キッチンの石油ストーブもつけた。

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