私は失恋エディター
第3章 西条みなみ先生
西条先生は良い香りのする紅茶を出してくれた。
「あ、本当にお構いなく…」
「良いの。私が無理言ってお茶飲みの相手してもらってるから。それよりクッキー食べてみて。今回は自信作だから。」
そう言ってウインクされた。
私はお言葉に甘えてクッキーを1つ摘むと齧ってみた。
「あ、美味しい…」
サクサクしており、仄かに甘い優しい味わいがする。
「でしょう?隠し味にシナモンを加えているの。」
「シナモンを?…シナモン?」
私はシナモン入りのクッキーというところに引っかかった。
どこかで聞いたような…いや、聞いたんじゃない、読んだんだ。
「もしかして『一瞬の夏』の葉月が食べたクッキーですか?」
「ご名答。まさか気付いてくれるなんて思って無かったわ。」
そんな風に言いつつ、西条先生は嬉しそうに笑っていた。
『一瞬の夏』の主人公の少女、葉月はクッキーが好きで近くのお菓子屋で買ったクッキーを頬張るシーンがあった。
そこに記されていたのだ。
「うわぁ、嬉しい。クッキーがすごく美味しいって書いてあったから。味の想像は描写から分かったけど食べたことは無かったから。」
「想像通りだった?」
「想像以上に美味しかったです!」
「それは良かったわ。」
西条先生はニコニコしている。
徐々に緊張が解れてきた私はポツリポツリと自分からも話せるようになっていった。
西条先生はウンウン頷いて話を聞いてくれる。
「あ、本当にお構いなく…」
「良いの。私が無理言ってお茶飲みの相手してもらってるから。それよりクッキー食べてみて。今回は自信作だから。」
そう言ってウインクされた。
私はお言葉に甘えてクッキーを1つ摘むと齧ってみた。
「あ、美味しい…」
サクサクしており、仄かに甘い優しい味わいがする。
「でしょう?隠し味にシナモンを加えているの。」
「シナモンを?…シナモン?」
私はシナモン入りのクッキーというところに引っかかった。
どこかで聞いたような…いや、聞いたんじゃない、読んだんだ。
「もしかして『一瞬の夏』の葉月が食べたクッキーですか?」
「ご名答。まさか気付いてくれるなんて思って無かったわ。」
そんな風に言いつつ、西条先生は嬉しそうに笑っていた。
『一瞬の夏』の主人公の少女、葉月はクッキーが好きで近くのお菓子屋で買ったクッキーを頬張るシーンがあった。
そこに記されていたのだ。
「うわぁ、嬉しい。クッキーがすごく美味しいって書いてあったから。味の想像は描写から分かったけど食べたことは無かったから。」
「想像通りだった?」
「想像以上に美味しかったです!」
「それは良かったわ。」
西条先生はニコニコしている。
徐々に緊張が解れてきた私はポツリポツリと自分からも話せるようになっていった。
西条先生はウンウン頷いて話を聞いてくれる。