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赫い月、蒼い夜

第2章 動き出す心



和「タイプだったんですよねぇ♪雑誌に載ってたあなたの写真見てから忘れられなくなっちゃって?」

「相変わらず気色わりぃな?」


カズは肩が触れるぐらいの場所に座り直し、俺の太ももに手を乗せた。


和「…とかなんとか言って、まんざらでもないくせに?」

「…うるせぇょ?」

和「まあ、あなたに才能があることは間違いありません。世界的に有名なアーティストのお墨付きですからね?作品もそこそこの値で売れてたみたいですし?」


カズは潤んだ目で俺を見上げながらゆっくり覆い被さってきた。


「…おい、この間ヤッたばっかりだろ?」

和「この間、って…1週間以上前じゃない?」

「まだ1週間ぐらいしか経ってねぇだろ?」

和「別にいいじゃない?1週間だろうが1ヶ月だろうが?」

「…疲れてんだって…」


カズは少しだけ顔を強張らせ俺を見下ろしていたが、ビックリするぐらいの笑顔を見せた。



和「じゃあ…全力で癒やしてあげますよ?」



連日の徹夜で、やはり覇気のない俺のモノを布の上からカズの白い手がスルリと撫でた。


和「まだ若いんだから発散しないと?」

「やめろ…って。」

和「そう言えばこの間、若くて可愛い男の子、連れ込んでましたよね?」

「な、何で知ってんだよ?」

和「何焦ってんですか?まさか、疚しいことでもあるんですか?」

「べ、別にそんなんじゃないけど…。」



ビックリして起き上がった俺の体をまた押し倒してズボンのファスナーを下ろした。


和「ま、そうなったらなったで別にいいんですけど。本命は別にいますからね?」

「…いんのかよ?」

和「ええ。イケメンの、ね?」



萎れてヤル気ゼロの俺のモノを笑顔で握りしめてきた。



和「もし、彼と正式にお付き合いをするんだったら俺にも紹介してくださいね?」

「付き合うわけねーだろ?」

和「どうしてそう言い切れるんですか?」

「俺なんかと育ちが違うからな?」

和「…ばっかみたい。そんなもん、関係ないのに。」

「……ぅ…」


カズの舌技に、ココロとは裏腹の反応してしまう。


「ンッ……ア…ッ…」


…そう。あいつと俺は違う。


カズの咥内で肥大してゆく自分を感じながら余計にそう思う。


俺なんかと、釣り合うはずはない、と。



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