🌹密会🌹
第11章 🌹March🌹(終章)-2
「ご、ごめんなさい!!わ、わざとじゃないの!私...私...初めてで...上手く出来なくて...本当ごめんなさい!!」
美月は即座に彼の陰茎から口を離すと、青ざめた顔で、目尻に涙を溜めながら謝罪をする。
「..............そうか.........初めてか...。」
その様子を無味乾燥とも言える目で見ていた彼だったが、彼女が「初めてだ」と打ち明けた瞬間、その白けた目を系のように細めると、口元に暗い微笑を作った。
「は、はい...そうなんです...。ご、ごめんなさい...痛い思いをさせてしまって...。」
美月は謝罪をしながら、日比谷教頭の冷笑とも嗤笑とも捉えられる笑みに心が傷んだ。
自分が未経験である事を彼に揶揄されたのだと思い込んだ為である。
しかし実際の所、それは全くの見当違いなのだが、この時の彼女はまだ知る由も無かったのだ。
膝をつき頭を下げていた美月だったが、ポンと日比谷教頭の手が置かれる。
彼はまるで自分の所有物かの如く、ゆっくりと彼女の頭を撫で回したのだ。
「手探りで辛かっただろう、美月。私がベッドで存分にお前を可愛がってやろう。」
彼は威圧感のある口調を柔らげ、色気を含んだ低く上機嫌な声に声色を一変させると、美月の耳元に囁いた。
恐怖を感じながらも、日比谷教頭の甘言が鼓膜を通じて美月に伝わったその瞬間、彼女は自分の蜜口がじっとり濡れてしまった事を直接触らずとも感じ取ったのだ。
「んッ...はぃ」
その事実に動揺しながらも美月は赤らめた顔を伏せて返答する。
そんな彼女の様子に、日比谷教頭は満足気に微笑んだのだった。