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🌹密会🌹

第12章 🌹March🌹(終章)-3




”薬を飲んでゆっくりしてからで構わないが、
今晩どうするか決めた方が良いだろう。
美月の好きなタイミングで、電話かけてほしい。
待っている。“


筆圧の濃い字でメモ用紙にはそう書かれていた。


途中で私が寝てしまったから、帰すに帰せなくなったのかな。
別に叩き起こしてくれても良かったのに。
余計な手間をかけさせちゃった。
薬飲んだら、帰りますって言わないと。


個包装されたホワイトチョコを2つ口の中に放り込み飲み込むと、水でアフターピルとナイトテーブルに置いてあった風邪薬と鎮痛剤を流し込んだ。

泥のように眠ったというのに、美月の身体からは全く倦怠感が取れていなかった。
彼女はナイトテーブルに置かれた体温計に手を伸ばして、再度体温を測った。


38.6...。
熱が上がっている。
鎮痛剤、早く効いてくれればいいんだけど。
いっそ泊まってもいいかお願いしてみる...?
....流石に2日目は駄目だよね..。



ハァー...と重い溜息を美月は吐きながら、日比谷教頭に電話をかけた。


「あ、あの、すみません。寝てしまっていて。運んで頂いてありがとうございます。今起きて薬を飲んだ所です。」


「そうか...。具合の方はどうだ?熱は?」



「えっと...熱は38.6あります。でも鎮痛剤と...ケホッ...風邪薬を飲んだのでじきに効いてくると思うので、大丈夫です。」



「一緒に避妊薬も飲んだんだろう?その状態で副作用でも出てきたら、ますます苦しいんじゃないか?」



「大丈夫です...。そうなったらじっとしていればいいだけの話ですから。車、お願いします。」



「....................。泊まっていってもいいんだが。」



「え!?!?」



「まあ...今すぐにでも帰りたいのなら話は別だ。美月、私に遠慮する必要性は無い。好きに決めなさい。」



「......。では、お言葉に甘えさせていただこうかなと思います。実は結構苦しかったので。」



「分かった。何か困った事があれば、いつでも電話で私を呼びなさい。決して無理はしないように。」



「はい...ありがとうございます。」



「疲れただろう。ゆっくり休みなさい。」



日比谷教頭は極めて優しく、まろやかな声で一言告げると、電話を切った。


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