🌹密会🌹
第12章 🌹March🌹(終章)-3
「....してもいいよ、黎一さん。」
扇情的な視線を向けられ、鼓動が激しく高鳴った美月は自ら彼を誘惑した。
すると彼の情欲的な目が伏せられ、重ねられていた手がひいていく。
「すまない、お前が可愛すぎてつい煽られてしまった。誘うつもりはなかった。お前を抱きたいのは山々だが、昨日とは別の意味で理性が効きそうにない。お誘いは嬉しいが、また後日にしよう。」
「そうなんですか...別に私は良かったのに...。」
少し残念そうに言った美月は口を尖らせると、不服そうな表情を浮かべた。
「わ、分かった。お詫びにお前の質問には何でも答えよう。それで妥協してくれないか?」
見るからに表情が曇った美月の様子に焦ったのか、捲し立てるように彼は口を開いた。
ポカーンとしてしまう美月だったが、またとない機会に好奇心が膨らむ。
お言葉に甘えて聞けるものは聞いてしまおうと思考を巡らせ、一番最初に浮かんだ疑問を彼にぶつけてみる事にした。