🌹密会🌹
第12章 🌹March🌹(終章)-3
それから1週間後
美月の体調が全快した土曜日。
約束通り、彼の家で美月は溶かされるのではないかと思われる程、彼の手で優しく、身も心もドロドロになるまで抱かれた。
偽りの無い彼の「愛している。」が何度も美月の琴線に触れて、史上の喜びを感じながら、彼女は快楽の海へと溺れたのだった。
その翌週末からは結婚前の両家顔合わせ、入籍、新居、結婚指輪の購入、式場予約等、彼らの日常は目まぐるしく過ぎていった。
美月としては1年の同棲生活を経て、その後結婚という形でも良かったが、
日比谷教頭は早く彼女を妻に迎え入れたかったらしい。
“未だに夢ではないかと思っている。”
“早くお前を独占してしまいたい。結婚してくれ”
彼は美月を抱く際、
申し訳なさそうな表情を浮かべながら
切羽詰まった声で胸の内を明かしていた。
そんな彼からのお願いを美月は断る筈もなく、彼の頬を両手で包み込むと「いいよ。」と心よく了承したのだ。
独占欲の強い彼の言動を可愛いと思える程、
彼女もまた、彼に溺れていたからだろう。
余談だが、彼は元々愛煙家だったらしい。
「よく止められましたね。大変じゃなかったんですか?」と美月が聞いた所、
「断腸の思いだったが、お前にキスを拒まれる方が嫌だった。」と何ともこれまた可愛らしい返答が返ってきて美月は声を上げながら笑ったのだった。