🌹密会🌹
第12章 🌹March🌹(終章)-3
婚姻届を役所に提出し、お揃いで購入した結婚指輪を職場に付けていくとなった初日、美月は緊張した。
無論、その原因は日比谷教頭に片想い中の三原先生だ。
目敏く美月の薬指に光る結婚指輪を見つけて大騒ぎするかもしれない。
そんな不安が彼女の脳内を占めていた。
だがどの道、職場に結婚報告も済ませなくてはならない。
いずれ彼と結婚した事はバレてしまう。
クヨクヨしていても、仕方がない。
開き直りの精神で美月は校門を潜った。
職員室に入り、朝の挨拶を済ませ、自席に座ろうとした美月だったが、三原先生に呼び止められる。
「あら、指輪?え?結婚したの?相手、誰?」
さっそく美月の薬指にはめられた指輪に食いついてきた三原先生。
「....日比谷教頭です。先日、婚姻届を出してきました。」
彼女の目を見るのが恐ろしくて、思いっきり視線を逸らしながら美月は答える。
そして次の瞬間、「ええええええええ!!」という彼女の絶叫が職員室内に響き渡った。
お陰で美月は職員室内での注目の的となった。
ショックで膝から崩れ落ちた三原先生が心配になった美月は「だ、大丈夫ですか?」と声をかけようとした。
だが次の瞬間、カッと目をかっぴらいた三原先生に両腕を掴まれたのだった。
「美月ちゃん私達、親友よねぇ?いつからお付き合いしてたの〜?まさか6月とか言うんじゃないんでしょうねぇ〜?💢」
こ、怖い。
視線だけで殺されそう。
めっちゃ怖い。
誰かーーーーー助けてぇえええええええ
彼女の恐ろしい剣幕に圧倒され、タジタジになりながら美月は心の中でSOSを叫ぶしかなかった。