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🌹密会🌹

第12章 🌹March🌹(終章)-3



それから時を経て、結婚式当日。
残暑もすっかり和らぎ、天候に恵まれる事が多い10月。
晴れ渡った快晴の下、アンティークのステンドグラスが光り輝くゴシック様式の大聖堂で私と黎一さんは挙式を挙げた。

純白のベールとウェディングドレスに身を包んだ私の右手の薬指には、あのエンゲージリングを付けている。



どうしてもこの結婚式で着けたかったからだ。


ベールダウンを行い、いよいよ厳格な父にエスコートされながら、大理石のバージンロードを歩く。


ライトグレーのタキシードを身に纏い、いつもより洗練された雰囲気を放つ日比谷教頭の隣に並んだ。


賛美歌斉唱
聖書朗読
誓いの言葉
指輪交換

着々と結婚式が進んでいく中、
ついに誓いのキスへと進行が進む。


彼は私のフェイスベールを上げると、
慈愛の籠った眼差しで見つめる。


その時、ふと思ったのだ。



私は、この熱の籠った瞳を


何度も見てきたような気がする、と。



彼の手が私の腕に軽く添えられる。
お互いの熱視線が絡まった。


愛おしくてたまらないと訴える彼の双眼を見ていたい気持ちを押し殺して、私は目を閉じる。



私の唇に彼の唇が繊細に触れる。






それは今までしてきたどんなキスよりも優しくて、





愛されているのだと感じるものだった。








           終


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