🌹密会🌹
第13章 🌹あとがき🌹
🌹 December🌹
【あらすじ&解説】
日比谷教頭とのクリスマス旅行の回です。
サプライズのつもりで誘った日比谷教頭。でも美月は本命の彼女と急遽行けなくなったから自分を誘ってきたのかなと勘違い。
全部美月を喜ばせる為だけに用意したのに、勿体無いです。
「私を前に考え事か...余裕だな。」
格式高いフレンチレストランで夕食を取った際、黎一さんが美月に言ったこの言葉、
逆に言えば彼自身余裕が無いという事を意味しています。
何故なら終章で指輪は11月に購入し、クリスマスにプレゼントしたかったと黎一さんが言ったからです。つまり内心、婚約指輪を渡せずに悶々としていたという事になります。
指輪は渡せませんでしたが、日比谷教頭はこのレストランで、美月を口説いています。
終章で隠す気は毛頭無かったと言ってた彼、下劣な男を演じる気が無いどころか、自分の気持ちがバレてもいいと思ったんですね。
でも美月は、私を誑かして優越感に浸りたいだけの台詞としか感じていません。
その後の彼との映画のワンシーンのようなセックスも、美月にとっては日比谷教頭の彼女の代役として抱かれているという認識でした。
「乱暴にして」という美月のお願いを彼は「駄目だ。」と言って断っています。「気が狂いそうだからやめてほしい。」と彼女が再度お願いしても、「今日は殊更優しく抱きたい気分なんだ。分かってくれ」と言って、キッパリ断ってます。
本当はプロポーズしたかったんです。乱暴に抱けるわけがないんです。
日比谷教頭が美月に指輪を渡すか、美月が彼のいるはずもない彼女の事を話題に出していれば、お互いにハッピーな展開に終わっていたのに、何とも皮肉な結末に終わってしまったクリスマスでした。