🌹密会🌹
第8章 🌹December🌹
贅沢な食事に舌鼓を打った後は、アートガーデン内に移動して20分並んだ高さ48mのカラフルな観覧車に乗り、最後はタワーシティのシンボルタワー、ドムトールン5階展望室へエレベーターで登った。
2つとも私の希望した場所で、大変恐縮だったわけだが、日比谷教頭は始終満足そうな笑みを浮かべていた。
どちらもハウステンボスを一望出来る夜景スポットだったが、地上80mの5階展望室から見下ろすイルミネーションに彩られた美しい街並みは、別格だった。
ヨーロッパのクリスマスのようなアムステルダム広場
光の王国のメイン会場であるアートガーデン
大きな光のツリーが見えるアトラクションタウン
パレスハウステンボスの宮殿に、高級別荘地のワッセーナまで見渡せる絶景だった。
広い園内はどの方角を見てもキラキラと輝いていて、ダイヤモンドが散りばめられていると言っても過言では無い。
「凄い!綺麗!」と柄にもなく子どものようにはしゃぎながら、カメラに写真を納めていた自分を恥ずかしく思っていると、いつの間にか当然のように固く手を握られる。
彼とは違って優越感なんて感じられる程、余裕のない私は、手を振り解く事も出来ずに、内海に反射して一層美しく光り輝いた宿泊ホテルに戻るまで胸の高鳴りを抑えるのに必死だった。