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🌹密会🌹

第10章 🌹March(終章)-1🌹


4日間に渡って実施された学年末考査が終了し、終業式を控えた3月。
日比谷教頭との事を思い出さないように、仕事に打ち込んだ結果、疲れ切った身体は鉛のように重くなった。
だが、このまま帰宅する気にもなれない。
明日が彼に別れを告げられる日だからだ。

前日の夜、繁華街をいく当てもなく彷徨う。

都会の喧騒から離れた裏路地に入り、隠れ家のように、ひっそり佇むバーが目につく。
青いネオンでLUXESと書かれた看板が出ており、雑居ビルの2階に繋がっていた。


思いっきり飲みたいな。


階段を登り、店内に入るとロングカウンターと天井にまでボトルが並ぶバックバーが目に飛び込む。
カウンター席には1人、サラリーマンの男が座っているだけで、店内はひっそりとしており、落ち着きのあるバーだった。


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