
副業は魔法少女ッ!
第4章 想いの迷い子
…──暗くしても、目、慣れてきたらよく見える。なずなちゃんの可愛い、こことか。
…──んゃっ、忘れて……ね?こんな私を見たこと、忘れて……あぁっ……。
互いに恋人がいる。従って昨夜のセックスは、傷付いて泣いた友人を慰めるための、女子会や旅行やショッピングと変わらない、発散という名目にした。中高生の頃、修学旅行や合宿の夜は、恋バナや怪談話が定番だった。つまり外泊先での就寝前は、その時だからこそ出来ることをしておかなければもったいない。そんな適当な理屈を並べたゆいかの話を鵜呑みにしたなずなの全身に、キスの痕をつけておきたいという妄想に駆られながら。
既に敏感な部分は触れる素振りを見せただけで快楽の波紋を広げる身体は、赤い割れ目に指を入れても、強張るばかりか、開放的に撓りさえした。
すぐるにはどんな風に触れさせているのか。淫らごとの最中まで、自己顕示欲の塊か。
耳朶を舌でくすぐりながら探ったゆいかに、こんなに会話してくれないかな、と甘い声が返ってくると、説明し難い優越感が襲いかかった。
それから半日以上経っても、なずなの声や匂いが、ゆいかに染みついているようだった。実際、今朝出社した時にはまだ明珠とは違う名残りが、指先にあった。
明珠よりやや甘ったるい動物性のそれが鼻腔を掠める度、ようやく罪悪感が追いかけてきた。
