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副業は魔法少女ッ!

第4章 想いの迷い子



「ゆいかちゃんが、なずなちゃんとそんなことになるなんて……」

「ビックリしてるのは、あたしもです。なんかごめんなさい」

「本当よ。私に連絡してくれれば、駆けつけてなずなちゃんを慰めたのに」

「ですよねー。色々冷静じゃいられなくて……判断力が……」

「あら珍しい。なずなちゃんへのリップサービス、もしかして結構ガチ?ゆいかちゃん、私と恋仇?」



 違うはずだ。

 なずなをすぐるから引き離したあと、ゆいかは彼女がなつるに口説かれようが、別の人間に執着しようが、そこまで干渉する理由はない。


「まぁ、なつるさんがなずなちゃんとくっついてくれれば安心なんですけどね。友達として」

「私ならゆいかちゃんや一色さんの監視の目も届きやすいしね」

「そういうことです」



 なつるの諧謔は否定しなかった。

 そのことを、遅れてルシナメローゼに出勤してきた明珠に話すと、彼女もゆいかと同じ風に笑った。


 なずなちゃんに逢って、妹が出来た気分だから。


 彼女の言葉に、ゆいかは溜飲が下がった。


 他の友人達にはしないようなお節介まで、なずな相手であればしてしまう。友人以上に見ている気がする。

 この不可解な行動原理は、姉妹愛と呼んでしまえばしっくりくる。

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