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副業は魔法少女ッ!

第1章 アルバイトで魔法少女になれるご時世



「さっきの家族のお爺さんは、私達の敵──…ルシナメローゼ住民の私怨に憑かれていた。それで攻撃的になっていた。その私怨を元の器に還すのが、魔法少女の業務内容」

「業務内容?」

「今は、アルバイトで魔法少女になれるご時世よ。人手不足なのが難点ね。幸い、私には透視の、特に未来の見える固有魔法がある。この力を有効活用して、スカウトも担当しているわ」


 魔法少女にならないか。

 なつるの用件は、つまり勧誘だった。

 霊的な素質は不要だ。魔力は雇用契約が成立した時点で、事務所責任者である東雲椿紗という人物から、対象者に支給される。

「結構ハードな仕事だから、月給に換算すれば、お給料はいいわ。それからあと、報酬として寿命がもらえる」

「寿命……?」

「不老不死に憧れがあるかないかなら、人間の大半は前者でしょう。それで依頼をこなした分、生命力を対価にすれば、危険を冒してまで働いてくれる従業員が増える……それが東雲さんの発想だった。ゆいかちゃんにさっき私が付与したのは、私がもらったそれの一部。通常は吸い込んじゃうけど、取っておいて良かったわ」

「あっ、私がほっとしたのも……」

「なずなちゃんにはその応用ね。元気になったでしょ」

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