
エッチな女子高生は年上がお好き
第3章 古の恋
そういえば、来月に近くでライブがあると言っていた。そこでまた会えるかもしれない。
淡い期待を胸に、バンドのSNSからライブの情報を確認する。ライブが行われるライブハウスが、僕の会社のすぐ近くで、しかも、その日は仕事が休みだった。
「運命」という言葉が頭に浮かんで、「馬鹿馬鹿しい」と冷静な自分がそれを打ち消してしまう。
チケットの購入ボタンを押した指が、なんとなく重たくなって、僕は携帯を閉じてしまう。
浮かれて、チケットを買って、ライブに行って、彼女が僕に気付かなかったら?
自分を傷付けたくないから、チケットは買わない。いつまで経っても子供のような僕は、正直ちょっとダサいけど、あと1週間もすれば全部忘れるだろう。
無かったことにすればいいだけ。僕はただ、毎日働いて、お金を稼いで平凡に生きていければ、それがお似合いだから。
でも、あの黒くてキラキラ光る瞳と、白い腕と、綺麗な声を思い出すと、単純な僕はまたダメになってしまう。
