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鼻血

第3章 天罰

それから、その神社には行かなかった。
好きな女子を妄想して汚らしいことをしてしまった悲しみや苦しみから目をそむけたかったのかも知れない。

もうエロ本を見たり、ましてやシコシコなんてやめたいと何度も思ったが、やめられずに公民館のトイレとかには頻繁に行った。

卒業が近づくと、好きな女子がよく話しかけてくれるようになった。
それは嬉しくて幸せなのだが、妄想してシコシコしてしまったことを思うと胸が苦しくてたまらなかった。

時の流れの速さは残酷で、すぐに卒業式を迎えて春休みになった。春休みが終わればもう中学生だ。
ちゃんとしなければと思いながらもエロ本やシコシコの重力からは逃れられない。

春休みになると、毎晩鼻血が出るようになった。
中学生になるという重圧、好きな女子とはもう同じクラスにはなれないかもという寂しさ、妄想してしまった悲しみや苦しみといったことから鼻血が出てしまうのかとも思ったが、毎晩大量に出てしまうので、かなり深刻なことだった。

親も心配して病院に行ったが、どこも悪いところはない、精神的なことでしょうと原因不明だった。
中学生になることで不安やプレッシャーもあるだろうけど気持ちを楽にしましょうとテキトーなことを言われた。

夜になると大量の鼻血が出る状況は毎日続く。
毎晩大量の血が出るのだから、出血多量な状態で、このまま続けば死んでしまうという恐怖に襲われた。

死にたくない。
死ぬのは怖い。

そい思う反面で、エロ本を見たり、シコシコして変な液が出たり、好きな女子を妄想して汚したりして最低で最悪な自分だから死んでしまった方がいいとも思っていた。

死ぬ前にもう一度だけでも好きな女子に逢いたいなぁと卒業アルバムを見てみた。好きな女子は妄想に使って汚してはいけないと思っているから、あの一度だけだが、考えてみると他の女子は何回も妄想してシコシコしていた。

おっぱいが大きいコや、そもそもシコシコを覚える原因となった脱ぎたてのパンティを見せてくれたコなんて何回妄想したか分からない。

好きな女子だって、彼女たちだって汚したはいけない女子であることに変わりはないのに、何回も汚してしまって申し訳ないと思うと涙が溢れてきた。

やっぱりこんな最低最悪なヤツは死んだ方がいいに決まっている。大量出血は神様に下された天罰なのだと思った。

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